介護研究の進め方(リサーチクエスチョンを立てる)

投稿者: | 2018年1月24日

介護職の人は,研究に対してハードルがあるよね(「現場と研究との距離」)っていう話を書いたけど,介護の研究を介護職がやることは,介護職の地位を向上させるために絶対必要だ(「研究って何?」)。

ここでは,介護現場で,研究をどう進めていけばいいのか,ざっとした流れを解説していく。

それぞれの部分は,詳しく書こうと思えば,いくらでも詳しく書けるので,ここでは,本当に,ざっとした流れを書くので,

これを見て,「研究ってこういうモノなんだ。」というのをつかんでください。

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研究テーマを決める

このステップが,研究全体のプロセスで,一番重要なポイント。

普段の介護現場で感じる,いろんな疑問やアイディアが,そのまま研究テーマになる。

「この部分は,このように改善したら,もっと良いのではないか。」

「どのような時に,この利用者さんは,不穏になるんだろう。」

本当に現場で感じる,素朴な疑問で良い。

 

いや,むしろ素朴な疑問の方が良い。

実際には,介護現場の研究は,ほとんど進んでいないのが現状だ。

だから,現場で当たり前に行われていることが,実は新しいこと,ということはたくさんある。

普段やってることで,「本当にこれは意味があるんかな。」って思うようなことでもよい。

この素朴な疑問というのが,介護職じゃないと出てこないものがある。

 

たとえば,「Aさんが食事をしている。」という現場をみて,以下の職種なら,次のようなことを考えるかもしれない。

看護師 ⇒ 服薬のこと

栄養士 ⇒ 食事の栄養や食事形態のこと

OT ⇒ 自助具のこと

ST ⇒ 姿勢のこと

 

では,介護職は?というと,

介護職 ⇒ 食事をスムーズに進める介助法・本人に楽しんでもらえる食事

そういうことを考えるのではないだろうか?

例えば,お酒が好きな利用者さんがいて,介護職がお酒の提供を提案して,看護職が反対して議論になる。なんていうのは,介護現場あるあるだ。これは,どっちが良いとか悪いとかではなく,それぞれの職種で視点が違うからであり,だからこそ,連携して仕事を進めていく必要があるわけだ。

介護職には,介護職にしかない視点がある。

そして,この視点から出発する研究は,介護職にしかできない。

介護福祉学は,介護職が研究しないと,発展していかない,ということをわかってもらいたい。


リサーチ・クエスチョンを立てる

リサーチ・クエスチョンとは

研究テーマを決めたら,今度は研究で明らかにすることを具体的に決めていく。

これを「リサーチ・クエスチョン」という。

たとえば,「利用者が食事をスムーズに食べる介助法」というテーマを決めたら,

具体的に「自助具を活用することで,改善するのか」,「食前にパタカラ体操を取り入れると良いのか」などのリサーチ・クエスチョンを立てることができる。

通常,ひとつの研究テーマから,いくつかのリサーチ・クエスチョンが出てくるはずだ。

まずは,そのうちの一つに取り掛かりましょう。

リサーチ・クエスチョンを立てるときの注意

リサーチ・クエスチョンがしっかりしていれば,研究方法はおのずと決まってくる。

このとき,倫理的・経済的に問題がなく,実施可能かどうか考えましょう。

例えば,本人にとって苦痛になる可能性がある実践,他の利用者さんの迷惑になるような実践をやることは,倫理的に問題がある。

また,新しい機器を導入するなど,費用がかかってしまなど経済的な問題をクリアできるかも検討する必要がある。

その他,時間的側面や人的側面など,本当に実施可能なのか検討することが必要となる。


おわりに

ここまで決まれば,いよいよ研究の実施計画に入る。
研究は,記録を集めて,その記録から結論を導く。

リサーチクエスチョンを立てることができたら,いよいよ研究をはじめる。
そのときに必要なことは「介護研究の進め方②」に続く。

介護研究の進め方(リサーチクエスチョンを立てる)」への4件のフィードバック

  1. ピンバック: 介護研究の進め方② | ひとにやさしくじぶんにやさしく

  2. ピンバック: 研究って何? | ひとにやさしくじぶんにやさしく

  3. ピンバック: 現場と研究との距離 | ひとにやさしくじぶんにやさしく

  4. ピンバック: 介護研究の進め方(研究計画を立てる) | ひとにやさしくじぶんにやさしく

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