研究って何?

投稿者: | 2018年1月23日

介護職員の方に,「研究をやりましょうよ!」といっても,ちょっと抵抗感がある人が多いように思う。(「現場と研究との距離」)
でその一つの理由に,「研究って何かわからん!」っていうのがあるんじゃないかって思う。

研究とは,goo辞書さんによると,
「物事を詳しく調べたり,深く考えたりして,
事実や真理などを明らかにすること。」

ここでいう「研究」は,
記録に基づいて事実を明らかにすること。

こうした研究を積み上げていくことが,
介護の知見を積み上げていく上で必要になってくる。

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研究って何?

「研究」っていう言葉は,
いろんな場面で使われる。

「相手ピッチャーを研究する。」
「企業を研究する。」
「料理を研究する。」

その中で,ここでは,
「科学的な研究」を扱う。

「科学的」というのは,
簡単に言えば「データに基づく」
ということだ。

介護の現場での「データ」は,
「記録」だ。

介護を研究する意義

施設なんかで,
「こうした方がいいと思う。」
っていうことはいっぱいあると思う。

でも,それを周りに言ったとしても,
「それはあなたの思い込みでしょ?」
となる。

じゃあ,「こうした方がいい。」
という証拠が必要になる。

例えば,
「ある利用者さんのトイレの時間を少し早めた方がよい。」
という提案をするとき,
普段のトイレの時間や
排泄の記録に基づいて,
そういう提案がされる。

さらに,トイレの時間を変更して,
どのように排泄の記録が変わったのか,
その記録も必要になる。

こうした記録がもとになって,
「トイレの時間を早めることで,
以前よりもトイレで排泄できるようになった。」
ということができる。

もし,そこに記録がなかったら,
「Aさんは,トイレの時間を早めることで,
以前よりもトイレで排泄できるようになったと思う。」
となる。

この二つは,大きく違う。
「なった。」と言い切れるのは,事実であり,
「と思う。」と言うのは,その人が思っているだけのことだ。
話していることが事実であれば,
周りの人の納得も得やすい。

研究の発展

さっき事例では,
「Aさん」についての事実を
記録から明らかにできた。
Aさんの事例についての研究なので,
このような研究を「事例研究」という。

では,同じことが,
認知症のBさんやCさん,
他10名くらいにあてはまったらどうだろうか。
そうすると,
「△△苑の認知症の利用者の方は,トイレの時間を〇〇のように調整すると,
トイレで排泄できるようになる。」
と言えるかもしれない。

「△△苑」とつけたのは,
他の施設でもそれが当てはまるかどうか怪しいからだ。

だから,学会などで発表して,
この知識を共有
する。

そして,他の施設でやってみても同じような結果が得られれば,
「〇〇県の特養の認知症の利用者の方は・・・」
「関西地域の特養の認知症の方は・・・」
「日本の特養の認知症の方は・・・」
「日本の入所施設の認知症の方は・・・」
という形で,事実の範囲が広がっていく。

これは,学会で共有されないと,
ほぼ不可能なことだ。
そういう意味で,
学会発表で事実を共有することは,
介護福祉学の発展には必要
なことだ。


おわりに

じゃあ,なんで介護職が研究をせんといけんのんか。
研究の進め方については,またあとで書くけど,
研究をすすめる最初の出発点が,
介護と他の職種で違うからだ。

介護職には介護職にしか気がつけない
利用者の特徴や介護の改善点があって,
その部分の研究は,介護のためにはすごく大事なのに,
他の職種の人は気づけないから,絶対にできない。

じゃあ,どうやってやればいいの?っていう疑問は,「介護研究の進め方①」や「介護研究の進め方②」で紹介する。

研究って何?」への6件のフィードバック

  1. ピンバック: 介護研究の進め方① | ひとにやさしくじぶんにやさしく

  2. ピンバック: 介護研究の進め方② | ひとにやさしくじぶんにやさしく

  3. ピンバック: 介護研究の進め方② | ひとにやさしくじぶんにやさしく

  4. ピンバック: 現場と研究との距離 | ひとにやさしくじぶんにやさしく

  5. ピンバック: 介護研究の進め方(リサーチクエスチョンを立てる) | ひとにやさしくじぶんにやさしく

  6. ピンバック: 自分たちの介護を研究したい!研究方法のまとめ | ひとにやさしくじぶんにやさしく

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