研究発表する施設のメリット

投稿者: | 2018年8月21日

先日,佐伯の方にお邪魔して,介護自慢大会のお話をさせていただいた。
もしかしたら,佐伯でも介護自慢大会が実現するかもしれません。

介護職員が事例などをまとめて,発表するのは,その方にとても大きな負担がかかります。
そこで,施設側が協力してくれると,とてもありがたいのですが,施設側のメリットについてもちょっと考えてみようと思った。

目次

自分たちの施設でやっている取り組みをまとめることができる

研究会などで自分たちの取り組みを発表する,ということは,その準備の過程で取り組みをまとめるということになる。
それはつまり,自分たちの取り組みを振り返るということになる。

いままで何となくやっていたことの結果が,わかりやすくまとまれば,これは職員のモチベーションの向上につながるかもしれない。
また,それぞれの活動のノウハウなどもまとめることができるので,他の職員や新人職員にもわかりやすく伝えることができるようになる。

活動を振り返りまとめる,という作業は,実は重要な作業であり,この作業がないとなかなか日々の活動のモチベーションを維持・向上することはできない。
それは,自分たちがやった取り組みの結果がうやむやになってしまい,記録として残らないからだ。
施設での活動を記録に残す,という意味でも,発表をするということは意義のあるものとなる。
逆にこのような振り返る活動をしていかないと,よりよい取り組みを行っていくことは難しくなってくるだろう。

施設のウリを伝えるコンテンツになる

一度発表してしまえば,同じ内容の発表をすることは,それほど苦労なくできるだろう。
ポスターなどを作れば,介護研究 ポスターの作成・発表の最後にあるように,施設の取り組みを伝える広告として,掲示することも可能だ。

研究発表の準備をするということは,「自分たちの取り組みを外部に発信するコンテンツを作る」ということになる。
この「取り組みを伝えるコンテンツ」は,使える場面が多いのではないだろうか。

例えば,他の施設の職員,利用者の家族,入所についての説明会でも同じ内容で発表することで,宣伝効果は期待できるだろう。
「こんなことやってます~。」という説明と,
「こんなことをやって,その結果,こんな風に変わりました。」と具体的に示すのとでは,
相手に伝わる内容が全く異なることは理解していただけるのではないだろうか。

また,職員の採用説明会等でも施設の取り組みを伝えるコンテンツとして使用できる可能性がある。
より良い介護を目指して,このようにしっかり記録を取りながら,新しい活動を行っていることを伝えることができれば,就職希望者を惹きつけるコンテンツになるのではないだろうか。

介護自慢大会で発表するメリット

介護自慢大会で発表をするために準備をすることで,以上のようなメリットがある。

さらに発表をすることで,プレゼンテーションのトレーニングにもなる。
実際に発表をすることはもちろん,他の人の話を聴くこともプレゼンスキルのレベルアップにつながるはずだ。
聴衆によりわかりやすく,より興味を持ってもらえるように伝える力が身に着けば,施設のウリを伝えるコンテンツとしての魅力も同時に高まるはずだ。
施設側としては,自分たちの取り組みを魅力的に伝える,優秀なプレゼンターの育成にもつながるというわけだ。

もちろん,参加して他の人の発表を聴くだけでも,プレゼンの方法を学ぶ機会にはなる。
ただ,発表するのとしないのとでは,他の人のプレゼンから吸収できるものは違うだろう。

もう一つ,他の施設で行っている新しい取り組みについても知る機会となる。
単に取り組みについてしるだけでなく,それをする上での苦労話であったり,上手くいかせるためのノウハウなど,実践者=発表者の生きた声を聴くことができるのは,大きなメリットだろう。
このような話を聴くことで,自分たちの施設で取り組める活動の幅が広がる。

まとめ

介護自慢大会は,もともとは介護職の専門性を高めるために,知識や経験を共有して,その知見を蓄積するために始めた。
ただ,「施設側のメリット」という視点でみたときにも,以上のようなメリットがある,というのは,仲間との話し合いで見出されたものだ。
このようにまとめることで,いままで各施設の職員に対して,介護自慢大会への参加を直接呼びかけていたけど,施設に対しても呼びかけやすくなったように感じる。

今後も,介護自慢大会を広げていき,介護職の専門性を高めていきたいと思う。